パーソナリティーとペルソナ
エニアグラムで「性格」と言っているものは何なのか?
英語ではperspnality(パーソナリティー)という語が用いられています。例:9personality types
エニアグラムの9タイプは個人が生まれ持った本質の上に形作られた「パーソナリティー」の9つのスタイルを表しています。日本語では「性格」という言葉とほぼ同義で用いられています。
パーソナリティーの語源は「ペルソナ」で、役者がかぶる「仮面」に由来しています。エニアグラムの9タイプは個人が生まれ持った本質の上に形作られたパーソナリティーの9つのスタイルを表しています。
「性格」を表わすもう一つの言葉に「キャラクター」character があります。これは「刻まれたもの」ということですね。彫刻を刻むように刻み付けられたものという意味です。エニアグラムではキャラクターという言葉は
ほとんど用いられません。
現代では、キャラクター=キャラといえば、アニメのキャラクターといったふうに用いられます。「キャラを変える」とか「別のキャラでいく」などといったふうに、キャラクターも変えられるという風に考えられているようです。
さて、自分のタイプが分かれば、意識の深層にある動機に気付き、自らの本質にたどり着くことができます。潜在的にもっている能力や可能性を再認識することができます。
しかし、自分のタイプがなかなかわからないという場合もあります。本質の上に形作られた性格のほかにも、成長段階で望ましいとされ、期待されてきた性格や、大人になってからの社会的な役割、職業上求められる性格などがあるからです。
わたしたちはいろんな性格の側面がある。学生としての顔、親としての役割、恋人に向ける顔、公共の場面での顔、職業的役割、周囲から望まれていると感じている自分の顔…。
それらがいくつものペルソナとなってかぶさっているのです。また、本来の性格が周囲の価値観や環境によって期待されるものではなく、別の望ましい性格に合わせることによって、むしろ抑圧されてしまう場合もあり得ます。ペルソナの下に本来の性格が抑圧されているということもありうるわけです。
そういったペルソナの下にある本来の性格を認識することが、エニアグラムの自己探求の入り口です。
ただ、多くの人の関心は自分のタイプを見つけ、同時に周囲の人びとのタイプが分かれば、エニアグラムとはこういうものだと理解したと思われるようで、そこから先の探求へ進むことにはあまり興味を持たれません。
私たちは自分が何を探しているのか、探しているものが何なのかを識っていなければ、探すことができません。自己探求の先にあるのは、タイプを知ることではなく、自己想起です。本来の自分とは何なのか…。
さて、性格とペルソナに話を戻しましょう。ペルソナの下にある性格=パーソナリティは「自我」egoと呼ぶこともできます。自我構造は、意識的、潜在意識的、無意識的という三つの層に分けて考えられます。
⇒エニアグラムと自我の構造